新型コロワクチン20210510
新型コロナワクチン情報(2021年5月10日現在)
ワクチンの接種方法
大阪でも医療従事者から新型コロナワクチンの接種が始まりました。
一般の方々は高齢者から順次施行される予定で、接種券が郵送されてきた方もおられると思います。大阪市では集団接種と個別接種の2種類の方法で接種が行われます。集団接種は大きな施設(平野区の場合、平野区民センター・平野スポーツセンターなど)で多くの人を対象に行われます。個別接種はかかりつけ医など身近な医療機関で行われます。
ワクチンは2回接種が原則で、2回目までの間隔は20日程度が良いとされています。
当院での予防接種について
当院では、5月末頃より新型コロナワクチンの接種(個別接種)を開始する予定です。
ワクチン接種は予約制です。ハガキが届いた方からワクチン接種希望を電話もしくは当院の受付窓口で行います。接種希望をされた方には、年齢・基礎疾患などを考慮し接種日を決めさせていただきます。接種日が決まれば、こちらから電話連絡をさせていただきます。
なお、現段階では、混乱を避けるためワクチン接種は原則として当院かかりつけの患者様を優先して接種させていただきます。ご理解とご協力をお願いいたします。
接種希望時にお聞きすることは
・接種券番号(市から送付されたはがきに記載されている番号)
・保険証番号
・接種できない日
・約3週間後に2回目を接種しますので、その日の予定もご確認ください
1日で接種できる人数には制限があり、ワクチンの保管も大変むずかしいこともあり、突然のキャンセルはできる限りご遠慮していただくようお願いいたします。
予約希望受付の電話番号:06-6700-8800
電話受付時間 :平 日 9:00~16:00
土曜日 9:00~12:00
木曜日・日・祭日は休診のため予約できません
窓口受付時間 :平 日 9:00~12:00 16:30~19:00
土曜日 9:00~12:00
木曜日・日・祭日は休診のため予約できません
ワクチンの作用・副反応(副作用)について
今回の新型コロナワクチンは、今までのワクチンとは全く違う方法で作られた mRNAワクチンというワクチンです。開発期間が短く、治験期間も短いため、接種するのが不安であると思う方も多いと思います。しかし、世界中ですでに非常に多くの人に投与され、その作用や副作用がある程度わかるようになってきました。
ワクチンの予防効果は現在のところ90%以上といわれ、非常に予防効果は高いと思われます。一方、アナフィラキシーなど重度の副反応の頻度は、100万人に対し2.8~4.7人と報告されています。これは一般に使用されているワクチンより少し多い割合となっています。
副反応には軽度のものと、副作用と呼ばれる重度のものがあります。軽度な副反応の代表的なものは、接種部位の発赤・腫脹・痛みなどです。これらはその部位を冷やすなどして数日で軽快します。次に発熱・全身倦怠感・頭痛などがあります。これらの副反応も通常数日で軽快します。症状が辛い場合は、解熱剤などで対応する場合があります。
重度な副作用の代表的なものはアナフィラキシーです。発生頻度は非常に少ないですが、すぐに治療が必要な場合が多いです。アナフィラキシーについて少し説明します。
アナフィラキシーとは
薬や食物が身体に入ってから、短時間で起きることのあるアレルギー反応です。
じんま疹などの皮膚症状、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状が急に起こります。血圧低下や意識レベルの低下(呼びかけに反応しない)を伴う場合を、アナフィラキシーショックと呼びます。
予防接種後に、息苦しさなどの呼吸器症状がみられれば、接種会場や医療機関で、まず、アドレナリン(エピネフリン)という薬の注射を行います。アナフィラキシーは特定のワクチンだけに起きるものではなく、様々な医薬品やワクチンの投与後に報告されています。例えば、インフルエンザワクチン接種後の副反応疑い報告では、因果関係があるかどうか分からないものも含め、1シーズンで、約20件のアナフィラキシーが報告されています。
次にワクチンのできない人や要注意者、様々な疾患とワクチン接種について説明します。
ワクチンができない人
- 明らかに発熱している方
- 重い急性疾患にかかっている方
- ワクチンの成分に対し、アナフィラキシーなど重度の過敏症の既往歴のある方
ワクチン接種 要注意者
- 過去に免疫不全の診断を受けた人、近親者に先天性免疫不全症の方がいる
- 心臓、腎臓、肝臓、血液疾患や発育障害などの基礎疾患のある方
- 過去に予防接種を受けて、接種後2日以内に発熱や全身性の発疹などのアレルギーが疑われる症状がでた方
- 過去にけいれんを起こしたことがある方
- ワクチンの成分に対して、アレルギーが起こるおそれがある方
- 抗凝固療法を受けている人、血小板減少症または凝固障害のある方
慢性疾患とワクチン接種
- 高血圧・糖尿病・喘息・心筋梗塞・心不全・腎臓病
これらの病気があってもワクチン接種をすることができます。新型コロナウイルスに感染した場合、重症化する危険性が健康な方より高いため、このような病気で通院・治療されている方は「基礎疾患を有するもの」として優先接種の対象となっています。
- がん・骨髄移植や臓器移植後、先天性免疫不全、HIV
これらの方は一般的に免疫力が低下する傾向になります。そのため新型コロナウイルスに感染した場合重症化することが多いため、他に接種してはいけない理由がない限り、一般に接種が勧められています。
- 血友病など血が止まりにくい病気のある方
筋肉内出血のリスクがあるため、接種後に、接種部位を圧迫していただく必要がありますが、接種は可能です。
アレルギー体質とワクチン接種
- 食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎や花粉症、じんま疹、アレルギー体質などがあるといった理由だけで、接種を受けられないわけではありません。ただし、これまでに、薬や食品など何らかの物質で、アナフィラキシーなどを含む、重いアレルギー反応を起こしたことがある方は、接種直後に調子が悪くなったときに速やかに対応ができるよう、接種後、通常より長く(30分間)、接種会場で待機していただきます。
- 過去にアレルギー反応やアナフィラキシーを起こしたことがある方は、予診票にご記入いただくとともに、原因の医薬品等やその時の状況をできるだけ詳しく医師にお伝えください。
服用薬とワクチン接種
- 薬を飲んでいるために、ワクチンが接種できないということはありませんが、基礎疾患のある方では、免疫不全のある方や病状が重い方など、接種を慎重に検討した方がよい場合があります。また、抗凝固剤や抗血小板剤(血液をサラサラにする薬)を服用されている方は、接種後2~3分、接種部位の圧迫が必要です。
妊娠・授乳中とワクチン接種
- 妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の方も、新型コロナワクチンを接種することができます。ただし使用データが少ないため、接種のメリットとデメリットをよく検討して接種を判断していただくこととしています。
- 日本産婦人科感染症学会・産婦人科学会からは、「感染リスクが高い医療従事者、重症化リスクがある可能性がある肥満や糖尿病など基礎疾患を合併している方は、ワクチン接種を考慮する」と提言されています。
ワクチン接種後の注意点
- ワクチン接種後15分ぐらいその場で待機していただきます。
- ただし下記の人は30分待機が必要です。
⇒過去にアナフィラキシーを含む重いアレルギー症状を起こしたことがある人
⇒過去に採血などで気分が悪くなったことがある人
⇒喘息発作をよく起こす人
⇒その他、医師は必要と判断した人
最後に
このワクチンはわが国では16歳以上の人が対象になっています。
一般の方では、高齢者や基礎疾患のお持ちの方から順番に接種することになっています。
ワクチンの特徴をよく理解し、できるだけ多くの人が、できるだけ早く・安全に接種できることを期待しています。