胃カメラ

胃カメラ検査で
わかること
わかる病気

胃カメラ検査でわかること・わかる病気胃カメラ検査では、内視鏡を口または鼻から挿入し、食道、胃、十二指腸の粘膜を、カメラを通して観察します。粘膜の微細な隆起や色調までを観察できるため、胃バリウム検査などと比べると、病気を早期に発見できる可能性が高くなります。
また、内視鏡の先端から出す器具で疑わしい組織を採取して病理検査・確定診断を行ったり、ピロリ菌検査を行ったりすることが可能です。
胃カメラ検査では、以下のような病気を発見することができます。

胃がん

ピロリ菌の感染、塩分の摂り過ぎ、喫煙などを原因として発生します。初期はほぼ無症状で、ある程度進行してから胃痛、食欲不振、腹部膨満感、体重減少、吐血、黒色便などの症状が出現します。早期に発見できれば内視鏡的治療によって完治も期待できるため、症状の有無に関係なく40歳以上の方は年に1回の胃カメラ検査をおすすめします。
予防においては、生活習慣の改善に加え、ピロリ菌の除菌治療を行うことが大切になります。

急性胃炎

アルコールの摂り過ぎ、食べ過ぎ、薬の副作用、強いストレスなどを原因として発症します。
胃痛、胸やけ、吐き気などの症状が比較的強く現れますが、適切な治療により比較的短期間で軽快します。再発を防ぐためには、食習慣を改めましょう。また薬が原因になっている場合には、その種類の変更を検討します。

慢性胃炎

ピロリ菌の感染を主な原因として発症します。症状としては胃痛や胃もたれなどが挙げられますが、無症状のまま進行するケースも少なくありません。放置していると、萎縮性胃炎、胃がんと進行していくことがあるため、治療・予防においてはピロリ菌の検査・必要に応じた除菌治療が欠かせません。
ピロリ菌は一度感染すると、除菌治療を行わない限り感染が持続します。

胃ポリープ

胃ポリープは、胃底腺ポリープ・過形成性ポリープ・腫瘍性ポリープに分類できます。うち、胃底腺ポリープについては、きれいな胃にできることが多くなります。
大腸ポリープとは異なり、早急な切除は必要ありませんが、定期的に胃カメラ検査を受けて経過観察を行っていくことが大切になります。大きくなるものについては、切除を検討します。

胃アニサキス

アニサキスが寄生するサバ、アジ、イワシ、イカなどの魚介類を、十分な加熱処理・冷凍処理をせずに口にした場合に発症します。食後6~9時間で激しい胃痛、嘔吐などの症状に見舞われます。
胃のアニサキスは、胃カメラによる発見・摘出が可能です。また予防としては、70℃以上の加熱(60℃の場合は1分以上)、または-20℃での24時間以上の冷凍によって死滅させる方法が有効です。その他、目視による除去、購入時には新鮮な魚を選びすぐに内臓を取り除くことも大切です。

胃潰瘍

ピロリ菌の感染、解熱鎮痛剤の内服などを原因として、胃の粘膜でびらんや潰瘍が生じる病気です。
食後のみぞおちの痛み、胸やけ、吐き気・嘔吐などの症状が見られます。出血がある場合には、吐血や下血が起こることもあります。
再発防止のためには、ピロリ菌の除菌治療、薬の種類の変更が不可欠となります。

十二指腸潰瘍

胃潰瘍と同様、ピロリ菌感染、解熱鎮痛剤の服用を主な原因とします。症状も似通っていますが、みぞおちの痛みについては、胃潰瘍と異なり空腹時に発生することが多くなります。
治療では、ピロリ菌の除菌、薬の種類の変更が必要です。

逆流性食道炎

加齢に伴う下部食道括約筋の緩み、胃酸の過剰な分泌、腹圧の上昇といった要因が重なることで胃酸が逆流し、それが繰り返されることで食道粘膜が傷ついてしまう病気です。近年、食生活の欧米化などによって患者数は増加傾向にあります。
胸やけ、ゲップ、呑酸、咳などの症状が見られます。放置していると、食道がんのリスクが高くなります。

バレット食道

逆流性食道炎によって慢性化した炎症が、食道粘膜を胃の粘膜のように変性させてしまった状態です。
バレット食道特有の症状というものはなく、逆流性食道炎の症状が続くことになります。
一度変性した食道粘膜が、元の健康な状態に戻ることは基本的にありません。食道がんのリスクが通常より高くなっていますので、定期的な胃カメラ検査による経過観察が必要です。

このような症状が
ある方は
検査をおすすめします

  • 喉の違和感、声枯れ
  • 食べ物が飲み込みづらい
  • 胸やけ
  • 胃痛、胃のむかつき
  • 吐き気、嘔吐
  • ゲップ、呑酸
  • 食欲不振、体重減少
  • 黒い便(タール便)
  • 家族がピロリ菌検査で陽性だった

胃カメラ検査の流れ

1検査の前日

夕食は21時までにお済ませください。その後は、絶食です。
水、お茶は適量飲んでくださって結構です。

2検査当日の朝

引き続き、絶食です。水、お茶は構いません。
持病の薬の内服については、当院の医師または処方医にご確認ください。
※夕方に胃カメラ検査を受ける場合は、朝食を軽く摂り、昼食を抜きます。

3ご来院

ご来院体調を確認した後、胃カメラ検査を行います。
喉または鼻に表面麻酔をかけます。またご希望に応じて、鎮静剤を併用します。
準備が整いましたら、胃カメラ検査を行っていきます。検査時間は、5~10分程度です。

4検査終了

検査終了検査が終われば、リカバリー室でお休みいただいてから、医師が検査結果説明をいたします。実際の検査画像をご覧いただきながらの説明となります。何でもお気軽にお尋ねください。
病理検査の結果については、約1週間後に分かります。

井上クリニックの
胃カメラ検査

消化器内視鏡専門医が検査を担当します

消化器内視鏡専門医が検査を担当します胃カメラ検査は、日本消化器内視鏡学会の消化器内視鏡専門医が担当いたします。
豊富な知識、経験を活かした、精度の高い検査を行います。検査時間も短く、患者様のご負担も軽減されます。

ご希望に応じて苦しくない鎮静剤を使用します

ご希望に応じて苦しくない鎮静剤を使用します喉または鼻の表面麻酔に加えて、眠ったような状態になる鎮静剤を併用します。
痛みを感じにくくなり、恐怖心も薄れます。「気づいたら終わっていた」という感覚で胃カメラ検査が受けられます。

胃カメラ・大腸カメラの同日検査が可能です

胃カメラと・大腸カメラ検査を、同日中に受けられます。それぞれを別日に受ける場合と比べると、検査前の食事制限、鎮静剤の使用・検査後の運転制限が1回きりで済むため、日常生活への支障を最小限に抑えられます。

胃カメラを受けるのに

苦しくないコツは?

当院の胃カメラ検査では、丁寧な説明と声掛け、鎮静剤の併用、専門医による迅速な操作により、患者様のご負担を軽減できるように努めています。
患者様にも以下のような工夫にご協力いただけますと、よりご負担が少なくなります。

力を抜いてリラックスする

緊張は、痛みなどの苦痛を増幅させます。
力を抜いて、リラックスして検査に臨んでください。

大きな深呼吸(鼻から吸って口から吐く)

検査直前には、鼻から息を吸って口から吐く深呼吸を3回ほど繰り返してください。
深く吸い、深く吐くのがポイントです。

唾液を飲み込まない

検査中、唾液を飲むと、気管に入ってむせてしまうことがあります。
検査中は横を向いた体勢となりますので、唾液を飲み込まず、口の端から垂れ流すようにしてください。

目を閉じない

検査中は、ごく自然に目を開き、遠くをぼんやりと眺めてください。
目を閉じると意識が喉に向いてしまい、嘔吐反射が起こりやすくなります。

ゲップは我慢する

検査の中盤以降には、空気を送って胃を膨らませます。この時、ゲップが出そうになりますが、我慢してください。ほんの1~2分のことですので、ご協力ください。
ゲップをしてしまうと、再度送気が必要になります。我慢できれば、検査が早く終わります。

胃カメラ検査の費用

胃カメラ検査は保険適用になる?

胃カメラ検査に保険が適用されるのは、「医師が検査を必要と判断した場合」です。分かりやすく言い換えると、「消化器にかかわる症状がある場合」です。
反対に、病気の早期発見という目的があったとしても、何も症状がない場合には保険は適用されません。ただ、自由診療として胃カメラ検査を受けて、病気が見つかった場合には保険診療へと切り替わります。人間ドックで行われる胃カメラ検査などは、このケースに該当します。

検査費用

  3割負担
初診料・再診料 約2,000~4,000円
胃カメラ検査 約4,000~6,000円

オプション

   
病理組織検査 約3,500円~7,000円
ピロリ菌検査 約700円
鎮静剤・麻酔  

よくあるご質問

胃カメラ検査を受ける時、指定の服装はありますか?

胃カメラ検査では、原則着替えはいたしません。そのため、ややゆったり目の服装でお越しになることをお願いしています。
ボディスーツ、締め付けの強い服装・下着などは避けてください。また検査時には、ネクタイ、ネックレス、スカーフ、眼鏡、イヤリング・ピアスなども外していただきます。その他、横になっての検査となるため、短いスカートなどもお控えください。

胃カメラ検査の前は食事ができませんか?

胃カメラ検査の前日は、21時までに夕食をお済ませいただき、以降は検査まで絶食となります。ただし、夕方に検査を行う場合には、当日の朝食を軽く摂っていただき、昼食を抜くということもあります(前日は変わらず夕食を21時までに摂り以降絶食)。
飲み物については、絶食となってからも水・お茶は適量飲んでくださって構いません。
検査前日に控えるべき食品としては、繊維質の多い野菜・果物・海藻・キノコ類・アルコール・刺激物などが挙げられます。何かご不明の点がございましたら、お気軽に当院にご連絡ください。

胃カメラと大腸カメラは同じ日に受けることができますか?

はい、受けていただけます。通常、胃カメラ検査を受け、その後続けて大腸カメラ検査を行います。胃カメラ検査・大腸カメラ検査を別日に受ける場合とは異なり、検査前の食事制限、鎮静剤の使用・検査後の運転制限が1回きりで済み、日常生活への支障を最小限に抑えることができます。

胃カメラ検査は鼻からと口から、どちらが楽ですか?

胃カメラ検査を受ける時に感じる“辛さ”の代表が、オエッとなる「嘔吐反射」です。口から内視鏡を挿入する「経口内視鏡」は舌の根と触れるため、この嘔吐反射が起こりやすくなります。一方の鼻から内視鏡を挿入する「経鼻内視鏡」は、舌の根に触れないため、嘔吐反射が起こりにくく、楽に検査を受けられます。経鼻内視鏡は経口内視鏡より細く、鼻腔にも表面麻酔をかけますので、鼻が痛いということもまずありません。また、診断の精度についても両者にほとんど違いはありません。
そのため基本的には経鼻内視鏡をおすすめしていますが、鼻腔が狭い・鼻血が出やすい・鼻詰まりがひどいということで対応が難しい場合には、経口内視鏡を選択します。